ご挨拶

    このたび、在重慶日本国総領事にとして着任いたしました星山隆です。日本外交にとり極めて重要な日中友好の業務に携わることを心より喜んでいます。

   当館は、重慶のみならず、四川省、貴州省、雲南省を管轄しています。この中国西南地域は二億の人口を擁し、経済的にも近年急速に経済発展を続けており、日本でも大変注目されています。最近では、中国政府が構想している「一帯一路」のうち陸のシルクロードの方の玄関口として重慶、成都を中心とするこの地域があらためて重視されるようになっています。

   こうした中、当地には、約600社の日系企業が進出し、自動車や機械をはじめ幅広い業種の企業が活躍し、地元の雇用創出にもおおいに貢献しているところです。現在、中国に進出している日系企業は2万社を超えており、私は当地政府とともに、さらに多くの邦人企業が当地に進出することを支援し、地域社会に貢献するよう微力ながら努力していきたいと考えています。逆に中国企業が日本に投資することも日本政府がめざすところです。
   こうした日系企業や在留邦人の方々、さらには日本からの旅行者が当地で安全、安心な滞在ができるよう行政サービスを行うのも当館の役割であり、各種証明の発給、在外選挙の実施、長期滞在者、旅行者への安全情報の発出などサービスの向上に努めます。
   現在、西南地域には、約1000人の在留邦人が長期滞在されているほか、当地を訪れる日本人観光客も少なくありませんが、日本人が好きな温泉をはじめ当地の豊かな観光資源を考えれば、日本人観光客が今後大幅に増加する潜在力があることはまちがいなく、当館としても日本の地方自治体や関係機関とも協力して可能な支援をおこないたいと考えています。
   中国から日本への渡航者は、近年驚くべき伸びをみせており、昨年は240万人になっています。当館での訪日ビザ発給件数も、昨年11万件を突破し、本年は、半年間ですでに10万件に達し、昨年の倍のペースで増加しています。ただ中国全体でみれば当地域発の割合はまだ少なく、ぜひともより多くの方に日本のすばらしさをじかにみてきてもらいたいと思っています。
   日本、中国双方にとり、日中関係は最重要な二国間関係の一つであり、両国は戦略的互恵関係にあります。日本政府は、日本、中国の友好関係強化のため、これまでも文化交流、人的交流を進めてきていますが、あらゆるレベルで交流が拡大していくことが両国関係の基盤を強固にします。当地においても、重慶師範大学、四川外国語大学、貴州大学などを通じた交流があり、広島、岩手、山梨など自治体間の交流も行われています。また、重慶のモノレール建設への円借款供与を一例として日本は当地の経済的、社会的発展のため様々な援助をおこなってきました。2008年の四川大地震や2011年の東日本大震災の際には、隣人として支援と同情を交わしました。
   日本と中国の間には、2000年あまりの交流の歴史があるといわれ、同じ漢字を使い、外見が似ているなど共通点がありますが、大陸国家と海洋国家の違いからくる文化や考え方の相違も顕著です。こうした違いが時に誤解を生みますが、相互理解を深める努力を続けていけば、両国がアジアの平和と繁栄に大いに貢献することはまちがいなく、当館としてもその一助となるよう館員一同努力していく所存です。

2015年9月24日
在重慶日本国総領事
星山 隆