草の根無償資金協力署名式
(重慶市梁平県梁山中心衛生院安寧分院再建計画)
(重慶市巫山県廟宇鎮永風村飲用水整備計画)2008年11月10日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「重慶市梁平県梁山中心衛生院安寧分院再建計画」及び「重慶市巫山県廟宇鎮永風村飲用水整備計画」の贈与契約署名式が重慶市で行われました。署名式では艾揚・重慶市政府副秘書長、宋暁国・重慶市対外貿易経済委員会副主任の同席の下、当館の冨田昌宏総領事と徐運征梁・平県筆頭副県長、鄭平・巫山県県長がそれぞれG/C(贈与契約)への署名を行いました。
贈与契約書への署名(梁平県) 冨田総領事の挨拶
「重慶市梁平県梁山中心衛生院安宁分院再建計画」とは
本プロジェクトは、日本国政府の無償資金協力により、梁平県梁山鎮において、危険家屋となっている梁山中心衛生院安寧分院を再建する計画に対して、必要な資金86,753米ドルを供与するプロジェクトです。
「プロジェクト実施の背景」
梁平県梁山中心衛生院安寧分院は、1973年に建設された安寧郷衛生院が前身で、同衛生院が2000年から危険家屋となり使用不能となったため、梁山中心衛生院の管轄下に入り、安寧分院として、現在は民家の一部(約60㎡)を間借りして、周辺4つの郷約9,000人に対する医療サービスを行っています。同分院の年間患者数は延べ8,600人ほどですが、分院と言っても、民家の一角に長いすと薬棚を置いただけの作りで、実際は問診と注射、点滴程度の処理しか出来ません。そのため、重病患者は約10キロ離れた県の本院に行かなければなりません、老人と子供が多いため、また救急車やタクシーを呼ぶお金もないため、多くは約1時間かけて徒歩で通院するほかない状態にあります。なお、安寧郷衛生院は7年近く放置され、もとの建物の半分は既になく、残存部分も廃墟と化しています。
廃墟になった衛生院 民家を借りている衛生院の現状本プロジェクトの実施によって安寧分院が管轄する4つの村の地域住民が安心して医療を受けられるようになり、広義の裨益効果としては、地域における医療条件の向上により、地域住民の生活レベルの向上が期待できます。
贈与契約書への署名(巫山県) 署名を祝し乾杯
「重慶市巫山県廟宇鎮永風村飲用水整備計画」とは
本プロジェクトは、日本国政府の無償資金協力により、重慶市の国家級貧困県である巫山県の廟宇鎮永風村において、上水道施を設整備する計画に対して、必要な資金69,887米ドルを供与するプロジェクトです。
「プロジェクト実施の背景」
巫山県は重慶市東北部の山間部に位置し、農業を主たる産業とする国家級貧困県です。村に水源がないため、永風村の村民は通常約1時間かけて水をくみに行き、飲用水を確保していますが、高齢者の多い当地では雨水をためて使用したり水溜りの水を利用する家庭も多いのが現状です。また村民は不衛生な水を摂取することによる消化器系疾病にも悩まされており、一刻も安全な飲用水の確保が求められています。
溜めた水 雨水を溜めて利用本プロジェクトの実施により、飲用水の水質改善ができ、地域住民の消化器官系疾患の発症率が抑えられ、村人の健康状態の大幅な改善が期待できます。
当館は、この2件のプロジェクトが早期に完成し、この地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し、住民の方々がその効果を享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通じて、日本と重慶市の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。