草の根無償資金協力貴州省プロジェクト3件のG/C署名式
(黔東南州魚類養殖技術訓練計画、興義市桔山鎮中心衛生院建設計画、凱里市都力小学校建設計画)2月24日、貴州省貴陽市において日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「貴州省黔東南州魚類養殖技術訓練計画」、「貴州省黔西南プイ族・ミャオ族自治州興義市桔山鎮中心衛生院建設計画」、及び「貴州省凱里市都力小学校建設計画」の3件の贈与契約(G/C)署名式が行われ、冨田昌宏在重慶日本国総領事、蒙啓良貴州省副省長、禄文斌同省扶貧基金会理事長、姚守倫同省外事弁公室主任その他各関係者が出席しました。
署名式の模様 冨田総領事の挨拶
「黔東南州魚類養殖技術訓練計画」とは
2007年4月に同省を訪問した現経済産業大臣の二階俊博衆議院議員が日本の鯉を貴州省で養殖するとのアイデアを示したことがきっかけとなり、同省東南部の黔東南州台江県、剣河県、錦屏県において、同地域の養殖技術者、地元農業従事者を対象にした養殖技術の研修を行う資金88,199ドル(約60万人元相当)を支援する計画が立案されました。
国家級貧困県を含む貧しい州である黔東南州は、もともと農業を主体とした地域でしたが、ダム建設により多くの人々が養殖漁業への転換を余儀なくされており、早急な生活支援・対応策が求められています。
水田にある稲田養殖用のため池 稲田養殖の魚(鯉・草魚)本プロジェクトの実施後、黔東南州の3県の人々は訓練を通じて必要な養殖技術を修得することにより、漁業生産性が向上して将来にわたる安定した収入源が確保できるようになり、生活水準が大幅に向上して将来にわたる地域全体の発展につながると期待されています。
「黔西南プイ族・ミャオ族自治州興義市桔山鎮中心衛生院建設計画」とは
本プロジェクトは、同省興義市桔山鎮において、危険家屋に指定されている衛生院を再建する資金87,271ドル(約59万人民元相当)を支援する計画です。
興義市は、省都貴陽市の南西部約376kmの山間部に位置し、同市の西側は雲南省との境界地帯です。当衛生院は永年にわたり当地区における重要な医療機関として地域密着型の診療活動を行っていますが、建物の老朽化により簡単な外科手術や通常分娩さえも実施できない状況にあり、医療環境の早急な改善が求められています。
危険家屋に指定されている同衛生院 診察室の様子本プロジェクトの実施後、新衛生院の完成により桔山鎮の人々は安心して医療サービスを受けることができるようになり、また、当院が実施する衛生講習によって地域全体の健康水準の向上につながると期待されています。
「凱里市都力小学校建設計画」とは
本プロジェクトは、同省凱里市大風洞郷において、老朽化した小学校の校舎を建て替える資金87,115ドル(約59万人民元相当)を支援する計画です。
大風洞郷は凱里市北西部に位置する山村地区で、住民のほとんどが少数民族という地域です。都力小学校は、永年にわたり農村地域の初等教育に大きな貢献をしてきましたが、老朽化による校舎の損傷が著しく、正常な授業ができない状況にあります。
危険家屋に指定されている校舎 授業の模様本プロジェクトの実施後は、子供たちの学習環境が大幅に改善され、安心して勉学に励むことができるようになり、また、教室も広くなることで就学可能人数が増加して、同地域の未就学児童が減少できると期待されています。
当館は、この3件のプロジェクトが早期に完成し、この地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し、住民の方々がその効果を享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通じて、日本と貴州省の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。