日本政府助成による重慶バイオガス・マイクロダイジェスターCDM事業のキックオフ式典
3月14日、重慶市開県大徳郷の龍王村において、「重慶バイオガス・マイクロダイジェスター(BMD:家畜の糞尿と人糞を発酵させてメタンガスを発生させる装置)CDM事業」のキックオフ式典が開催されました。式典には、高興明重慶市農業委員会副主任、夏鄭峰開県副県長、松尾直樹(株)PEARカーボンオフセットイニシアティブ代表ほかプロジェクト関係者、そして多数の近隣住民が参加して盛大に行われました。当館からも遠山茂首席領事が出席しました。
このプロジェクトは、わが国の民間企業が中国側との協力により事業計画を立案したものですが、昨年7月の北海道洞爺湖サミット開催に伴い排出されたCO2について事後にこれを相殺する「カーボン・オフセット事業」の一環として助成の対象となったものです。
本件は日本政府が主催する国際会議におけるカーボン・オフセット事業の一環として助成した初めての、また唯一の海外プロジェクトであり、政府としても本プロジェクトの実現と成功に大いに期待しています。
式典の模様 日本企業と農民代表との契約書署名
「重慶バイオガス・マイクロダイジェスターCDM事業」とは
1.昨年7月の北海道洞爺湖サミットでは、気候変動問題が重要なテーマの一つであったことから、外務省では、サミット開催に伴い排出されるCO2について事後にこれを相殺する「カーボン・オフセット事業」を行ってきています。このオフセット事業の一環として、重慶市において株式会社PEARカーボンオフセット・イニシアティブが実施を予定しているCO2排出削減プロジェクトに対しても助成を行いました。2.今回の助成プロジェクトは、「重慶地域の貧困農村においてバイオガス・マイクロダイジェスター(BMD)を農家に導入し、メタンガスを炊飯、暖房、室内灯に利用することによって石炭消費を削減させる」ことを目的としており、プロジェクト総額約3600万円のうち、外務省が2000万円を助成しました。
3.本重慶プロジェクトは、重慶市農業委員会によって推進されているバイオガス・マイクロダイジェスターの家庭への導入を、自ら機械を購入することが困難な貧困地域の農家に設置することによって、CO2排出量を削減するだけでなく、農家の健康・衛生向上に貢献するものとして極めて大きな意義を有するプロジェクトと言えます。
設置中のBMD BMDを設置した農家第1号