草の根無償資金協力竣工式
(重慶市墊江県迎鳳村小学校校舎建設計画 平成21年5月8日)日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金75,202米ドル(供与当時のレートで約56万元相当)により重慶市墊江県において建設が進められてきた迎鳳村小学校の新校舎等が完成し、5月8日、同校において竣工式が開催されました。
式典には、冨田昌宏在重慶総領事、宋暁国重慶市対外貿易経済委員会常務副主任、羅徳墊江県県長及びプロジェクト関係者のほか、約280名の生徒・教員と大勢の地域住民が参加して盛大に行われました。関係者の挨拶では、本プロジェクトの紹介や日本政府への感謝の意が述べられるとともに、子供たちの表情からは新校舎完成に対する喜びが感じられました。
完成した新校舎 竣工式の模様 集まった住民と同校の子供たち 教室の様子
「重慶市墊江県迎鳳村小学校校舎建設計画」とは
日本国政府の無償資金協力により、同市墊江県普順鎮において危険家屋となり使用不能となっていた小学校を再建したプロジェクトです。
墊江県は、重慶市中部の三峡ダム生態経済区内に位置し、農業を主要な産業とする発展途上の地域で、迎鳳村小学校が所在する普順鎮は、山間部であるため産業振興の手段が限られるなど、厳しい貧困状況にあります。
同鎮には、1980年代に村民の共同出資により建設された旧石龍村小学校など3つの小学校があり、長年にわたり同地域の初等教育に大きな役割を果たしてきました。しかし、長期使用による損傷が著しく、3校とも危険家屋に指定されて使用できない状態となり、子供たちは付近の倉庫や民家など仮教室での授業を余儀なくされるなど、早急な教育環境の改善が求められていました。
使用不能となった旧石龍村小学校 民家を間借りしての授業の様子このような状況を改善するため、日本国政府は草の根無償資金協力によって、3校を統合して開校した迎鳳村小学校の鉄筋コンクリート2階建ての新校舎建設費及び校庭などを整備する資金を支援しました。新校舎等の完成により、280名余りの生徒が国家基準を満たした校舎で安心して授業を受けられるようになります。
教育環境の充実は、貧困からの脱却に不可欠の重要な条件の一つです。当館は、今回の草の根無償資金協力が、重慶市における貧困地域の基礎教育の向上に貢献し、また、日本と重慶市の交流及び協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が促進されることを希望しています。(了)