草の根無償資金協力プロジェクト竣工式
(重慶市石柱土家族自治県悦崍鎮中心衛生院外来病棟建設計画 平成21年6月25日)

 

 日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力により、重慶市石柱土家族自治県において建設が進められてきた悦崍鎮中心衛生院の外来病棟が完成し、6月25日同院において竣工式が開催されました。
 竣工式には、冨田昌宏在重慶総領事、宋暁国重慶市対外貿易経済委員会常務副主任、黄淑英石柱県副県長及びプロジェクト関係者ほか、大勢の近隣住民が出席して盛大に行われました。関係者の挨拶では、本プロジェクトの紹介や日本政府への感謝の意が述べられるとともに、同院職員や住民たちの笑顔からは新外来病棟完成に対する喜びが感じられました。

 

完成した新外来病棟
竣工式
竣工式に集まった住民たち
衛生院内の様子

 

「重慶市石柱土家族自治県悦崍鎮中心衛生院外来病棟建設計画」とは

 日本国政府の無償資金協力により、重慶市東部に位置する石柱土家族自治県悦崍鎮において危険家屋となっていた同鎮中心衛生院の病棟再建のための資金85,548米ドル(供与当時約64万元相当)を支援したプロジェクトです。
 同衛生院は、長年にわたり当地域の重要な医療機関として少数民族を中心とした住民の健康維持に大きな役割を果たしています。しかし、1960年代に建設されたレンガ木造の旧病棟は、長期使用による損傷が著しく、国家認定の危険家屋となって以来、満足な医療サービスを提供できず深刻な医療体制の不備に悩まされていました。

 

旧衛生院外観
旧病室内部の様子

 

 このような状況を改善するため、日本国政府は草の根無償資金協力によって、鉄筋コンクリート3階建ての新外来病棟の建設資金(総工費の60%相当)を支援しました。今回の援助を記念して新たに「中日友誼総合棟」と命名された建物の完成により、当地域の医療環境は大きく改善され、同鎮及び周辺地区住民6万人余りがいつでも安心して医療サービスを受けることが出来るようになり、同院は地域貢献を一層高めることができるようになりました。
 新型インフルエンザの発生など、早急なる感染症対策が叫ばれている昨今、地域社会が安定を維持して発展するためには、基礎的医療機関の存在及び地域医療の充実は極めて重要な要因です。当館は、今回の草の根無償資金協力が貧困地区における医療環境の向上に貢献し、また、日本と重慶市の交流及び協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が促進されることを希望しています。
(了)