草の根無償資金協力竣工式
(雲南省漾濞県瓦廠郷飲用水設備建設計画)
(雲南省永仁県維的郷利民飲用水設備建設計画)日本国政府の雲南省における草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下「草の根無償資金協力」)プロジェクトとして支援を実施した「雲南省漾濞県瓦廠郷飲用水設備建設計画」及び「雲南省永仁県維的郷利民飲用水設備建設計画」の工事が完了し、2009年8月26日及び27日、現地において各プロジェクトの竣工式が実施されました。
竣工式は、瀬野清水・在重慶日本国総領事、周応嫄・雲南省国際民間組織合作促進会常務副理事長、郭競鳴・雲南省商務庁主任ほか各県政府のプロジェクト関係者や近隣住民が出席して盛大に行われました。関係者の挨拶では、各プロジェクトの紹介や日本政府への感謝の意が述べられるとともに、地域住民の表情からは、これによって水汲みの苦労や不衛生な水への不安から解放され生産に専念できることに対する喜びが感じられました。
漾濞県での竣工式の様子 永仁県での竣工式の様子
「雲南省漾濞県瓦廠郷飲用水設備建設計画」とは
日本国政府の草の根無償資金:83,783米ドル(約62万人民元相当)により、雲南省漾濞県瓦廠郷における飲用水供給施設の建設を支援したプロジェクトです。
漾濞県は、雲南省西部の山間部に位置する少数民族地域で、特筆すべき産業もなく、国家級貧困県に指定されています。同地域は降水量が大変少なく、また山頂周辺という地理的理由から上水道施設の設置が困難であるため慢性的な水不足に悩まされていました。住民は毎日1km近く離れた麓へ水汲みに行かねばならないなど、生活や農業に大きな支障をきたしていました。
飲用水設備建設前の雨水を溜めるための貯水槽 貯水槽内の不衛生な水
「雲南省永仁県維的郷利民飲用水設備建設計画」とは
日本国政府の草の根無償資金:79,841米ドル(約60万人民元相当)により、雲南省永仁県維的郷における飲用水供給施設の建設を支援したプロジェクトです。
永仁県は、雲南省北西部に位置し、日照時間が中国で2番目に長いにもかかわらず、年間降水量が800ミリしかない貧しい地域で、漾濞県と同じく国家級貧困県に指定されています。同県維的郷では未だに上水道の敷設地域が少なく、人口の72%以上の人々が雨水や湖沼などの安全基準に満たない水を飲用しており、多くの住民が水不足と消化器系感染症等の疾病に悩まされていました。
飲用水設備建設前の水汲みをする住民 設備建設前の汲んできた水の様子両地域のこのような状況を改善するため、日本国政府は草の根無償資金協力によって、飲用水供給施設の建設費を支援しました。両プロジェクトの完成により、漾濞県瓦廠郷では約4,400名、永仁県維的郷では約2,300名の住民に対し安全な水の安定供給が可能となりました。
水道を使用する住民(漾濞県) 完成した飲用水供給施設(永仁県)草の根無償資金により、建設されて、今日の飲用水施設は、日本国民の税金から拠出されており、日本国民の中国国民に対する友好の象徴です。雲南省では1991年から現在までで合計28件、204万2,667米ドルの実績があります。当館は、今回の草の根無償資金協力が、中国における貧困地域の発展と生活水準の向上に大きく役立つことを期待するとともに、日本と雲南省の交流及び協力関係が更に発展し、日中両国民の友好関係が促進されることを願っています。
(了)