草の根無償資金協力プロジェクト竣工式
(重慶市開県白泉郷飲用水整備計画)日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下「草の根無償資金協力」)プロジェクトとして87,591米ドル(約60万人民元相当)の支援を実施した「重慶市開県白泉郷飲用水整備計画」の工事が完了し、2009年11月11日、現地においてプロジェクトの竣工式が実施されました。
竣工式には、瀬野清水・在重慶日本国総領事、宋暁国・重慶市対外貿易経済委員会常務副主任、周放・重慶市行政学院副院長及び現地プロジェクト関係者が出席したほか、雨が降る肌寒い天気にもかかわらず大勢の地元住民が参加して盛大に行われました。関係者の挨拶では、プロジェクトの紹介や日本政府への感謝の意が述べられるとともに、地域住民の代表から、これによって水汲みの苦労や不衛生な水への不安から解放され農業生産に専念できるようになったとの喜びが伝えられました。
竣工式の様子 集まった住民の皆様
「重慶市開県白泉郷飲用水整備計画」とは
日本国政府の草の根無償資金協力により、重慶市開県白泉郷における飲用水供給設備の整備計画を支援したプロジェクトです。
開県は重慶市の中心市街地から約450km東北部に位置する山間の地域です。当地住民の大半は農業に従事していますが、日照時間が短かく、主力となる作物や特筆すべき産業もないため、中国政府により国家級貧困県に指定されています。プロジェクトサイトである同県の白泉郷白泉村及び百里村は、このような厳しい自然環境と地元の資金難のため上水道が整備されておらず、住民は毎日麓の小川などから水を汲むなどして生活・農業用水を確保していました。また、汲んだ水が不衛生であるため消化器系の疾患を発症する例が多く、住民の健康への影響は極めて深刻な状況にありました。
麓で汲んだ水を溜めていた水がめ 水汲みに向かう住民このような状況を改善するため、日本国政府は草の根無償資金協力によって、同地での飲用水整備計画を支援しました。このプロジェクトの完成により白泉村及び百里村合計2,900名余りの住民、付近の小学校や衛生院に対し安全な水の安定供給が可能となりました。村の人たちは毎日の水汲みから解放され、農業生産性が大幅に向上するものと期待されています。
完成した貯水槽 支援した水道管草の根無償資金協力は日本国民の中国国民に対する友好の証です。重慶市においては1997年以来、今回のプロジェクトを含めて合計17件、約143万米ドル(約1,122万人民元相当)をこれまで支援してきました。当館は、今回の草の根無償資金協力を通じて日本と重慶市との友好協力関係が更に密接になり、日本国民と中国国民のさまざまな分野での交流が一層発展するよう願っています。
(了)