草の根無償資金協力プロジェクト署名式
(四川省西充県槐樹鎮西禅寺村飲用水整備計画)

 

 2009年12月22日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力プロジェクト(以下「草の根無償資金協力」)である「四川省西充県槐樹鎮西禅寺村飲用水整備計画」の資金贈与契約書(G/C)署名式が四川省成都市の広島・四川中日友好会館で実施され、譚欣・四川省人民政府外事弁公室副主任及び関係者の出席の下、当館の瀬野清水総領事と曹慧君・西充県人民政府副県長がG/Cに署名を行いました。

 

瀬野総領事の挨拶
贈与契約書の交換

 

「四川省西充県槐樹鎮西禅寺村飲用水整備計画」とは

 本計画は、国家級貧困県である四川省西充県の槐樹鎮西禅寺村において飲用水供給施設を建設するプロジェクトです。このプロジェクトに対し、日本国政府は草の根無償資金協力によって建設資金97,017ドル(約66万元相当)を供与することを決定しました。
 西充県は四川省の省都・成都市から東へ約260kmの山間部に位置し、住民の大半が農業で生活している地域です。本プロジェクトが実施される槐樹鎮西禅寺村は同県中心部から車両で約1時間半の山中に所在し、自然環境が厳しく飲用水確保が非常に困難なため、未だに上水道が敷設されていません。村の住民は井戸や溜池、湖沼から汲んだ水、軒先で溜めた雨水などの不衛生な水を利用しており、住民の多くが消化器系疾患を患っているなど、飲用水供給施設の必要性が極めて高くなっています。

 

汲んだ井戸水を自宅へ運ぶ住民
現在住民が使用している不衛生な水甕

 

 このプロジェクトが実施されれば、槐樹鎮西禅寺村及び近隣地区に住む合計2,000人以上の人々が安全な水を使用することができるようになります。また、住民の健康状態が改善されるほか、農業や家畜用の水も安定的に確保できるようになるため、生産効率が向上して各戸の収入増加が見込めるなど地域全体の総合的な発展につながることが期待されます。

 

 当館は、本プロジェクトが早期に完成し、同地域における社会的、経済的発展及び生活水準の向上に役立ち、地域住民の方々が末永くその効果を享受できることを期待しています。また、今回の草の根無償資金協力を通じてさまざまな分野での日本と四川省の友好協力関係が一層発展するよう願っています。
(了)