草の根無償資金協力プロジェクト署名式
(重慶市雲陽県大陽郷飲用水整備計画)
(重慶市彭水県朗渓郷中日友好衛生院建設)2010年2月5日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「重慶市雲陽県大陽郷飲用水整備計画」及び「重慶市彭水県朗渓郷中日友好衛生院建設整備計画」の資金贈与契約(G/C)署名式が重慶市内で行われ、艾揚・重慶市人民政府副秘書長、李建春・重慶市対外貿易経済委員会主任ほかの出席の下、日本政府を代表して瀬野清水・在重慶日本国総領事が、それぞれのプロジェクトの被供与団体とG/Cに署名しました。
雲陽県人民政府とのG/C署名 彭水県人民政府とのG/C交換
「重慶市雲陽県大陽郷飲用水整備計画」
本計画は、国家級貧困県である雲陽県の大陽郷慶霞村及び民富村において、飲用水供給施設及び水道管を整備するプロジェクトです。このプロジェクトに対し、日本国政府は草の根無償資金協力によって建設資金90,557ドル(約62万人民元相当)の供与を決定しました。
雲陽県は重慶市中心部の北東部に位置する地域で、農業を中心としている同県住民の生活は貧しく、本プロジェクトの実施予定地である大陽郷は住民の平均年間収入が1,800元という状況にあります。また、当地域は山間部という地理的条件等の理由から上水道が未整備であるため、地域住民は毎日約3km離れた水源まで水汲みに行かねばならないなど、水資源に困窮した劣悪な環境での生活を余儀なくされており、生活環境の早急な改善が求められています。
住民が使用している水がめ 汲んだ水を運ぶ住民本プロジェクトの実施後、3,000名余りの住民が安全な飲用水を使用できるようになることで、住民の健康状態が改善されるほか、農業用水の安定的な供給も可能となり、ひいては、生活レベルの向上や農村の経済・社会的発展につながるものと期待されています。
「重慶市彭水県朗渓郷中日友好衛生院建設整備計画」
本計画は、国家級貧困県に指定されている彭水ミャオ族トゥチャ族自治県の朗渓郷において、老朽化して取壊された同郷衛生院の業務棟の再建及び同院の医療機材を整備するプロジェクトです。日本国政府は、草の根無償資金協力により、建設等の資金93,792ドル(約64万人民元相当)を支援します。
重慶市東南部に所在する彭水ミャオ族トゥチャ族自治県は、貴州省との境界の山間部に位置する少数民族居住地域です。同県の朗渓郷衛生院は長年にわたり同地の地域医療に貢献してきましたが、長期使用による損傷が著しいことから危険家屋に指定されてすでに取壊され、現在は民家の一部を使用して軽症者の治療のみ実施している状況です。同郷近隣には同院のほかに医療機関と呼べる施設がなく、住民約10,000人余りが医療難の問題を抱えています。現状では急患の対応も困難であり、一刻も早い新衛生院の再建が求められています。
間借りしている現衛生院 病室の様子本プロジェクトの実施により、鉄筋コンクリート2階建ての業務棟が建設されるほか、レントゲン、エコー診断機等の医療機材も整備され、朗渓郷及び周辺地区住民合計約18,500人が新衛生院にて十分な医療サービスを受けることが可能となり、同地域の医療環境が大きく改善されることが期待されています。
当館は、この2件のプロジェクトが早期に完成し、住民の方々がその効果を十分に享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通じて、日本と重慶市の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。
(了)