草の根無償資金協力プロジェクト署名式
(雲南省紅河県阿扎河郷垤施小学校建設計画)
(雲南省永勝県順州郷飲用水整備計画)

 

 2010年3月10日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「雲南省紅河県阿扎河(アザホー)郷垤施(テツシ)小学校建設計画」及び「雲南省永勝県順州郷飲用水整備計画」の資金贈与契約(G/C)署名式が雲南省昆明市で行われ、朱暁陽・雲南省商務庁副庁長ほか雲南省側のプロジェクト関係者出席の下、日本政府を代表して当館の冨田晃次・首席領事が、それぞれのプロジェクトの被供与団体とG/Cに署名しました。

 

紅河県人民政府とのG/C署名
永勝県人民政府とのG/C署名

 

「雲南省紅河県阿扎河郷垤施小学校建設計画」概要

 本計画は、国家級貧困県である紅河県の阿扎河郷において、垤施小学校の総合教室棟を建設するプロジェクトです。このプロジェクトに対し、日本国政府は草の根無償資金協力によって建設資金95,307米ドル(約65万人民元相当)を供与することを決定しました。
 紅河県は雲南省南部の紅河上流に位置し、面積の90%以上が山地という地域です。1970年代に村人らによって建設された垤施小学校は、長年にわたり同地域の重要な教育機関として大きな役割を果たしているものの、長期使用による建物内外の老朽化が著しく、学校建設問題が浮上しました。近年の児童数増加に伴って教室が不足しているなど、子供達は困難な環境での学習を余儀なくされており、教育環境の早急な改善が求められています。

 

教室の様子
竹で編んだ天井板

 

 本プロジェクトの実施により、鉄筋コンクリート3階建ての新総合教室棟が建設され、同校の生徒400人余りが安全で整備された環境で授業を受けることができるようになり、山間部である同地域の教育環境が大きく改善されるものと期待されています。

 

「雲南省永勝県順州郷飲用水整備計画」概要

 本計画は、国家級扶貧開発工作重点県である永勝県の順州郷百戸楽村において、飲用水供給施設及び水道管を整備するプロジェクトです。このプロジェクトに対し、日本国政府は草の根無償資金協力によって建設資金64,670ドル(約44万人民元相当)を供与することを決定しました。
 永勝県は雲南省北東部に位置し、平均海抜2,250mという厳しい自然環境におかれている地域です。山間部という地理的理由から交通及び基礎インフラが未整備な地域が多く、住民の生活は非常に困難な状況にあります。本プロジェクトの実施地である順州郷も、上水道が未だ整備されていないため、同地域住民は毎日何回も水源地まで水汲みに行かねばならないなど、劣悪な環境での生活を余儀なくされており、生活環境の早急な改善が求められています。

 

井戸で水を汲む住民
住民が使用している水がめ

 

 本プロジェクトの実施後、順州郷百戸楽村及び周辺地区約1,000名の住民が安全な飲用水を使用できるようになり、健康状態が改善されるほか、農業用水の安定的な供給も可能となることで、長年にわたり悩まされていた水をめぐる問題が解決され、生活レベルの向上や農村の経済・社会的発展につながるものと期待されています。

 

 当館は、これら2件のプロジェクトが早期に完成し、これら地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し、住民の方々がその効果を享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通じて、日本と雲南省の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。
(了)