草の根無償資金協力プロジェクト署名式
(貴州省松桃苗族自治県蓼皋鎮衛生院建設計画)
(貴州省台江県方召郷中日友好衛生院建設計画)
(貴州省台江県革一郷茅坪小学校建設計画)

 

 2010年3月9日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「貴州省松桃苗族自治県蓼皋鎮衛生院建設計画」、「貴州省台江県方召郷中日友好衛生院建設計画」及び「貴州省台江県革一郷茅坪小学校建設計画」の資金贈与契約(G/C)署名式が省都・貴陽市で行われ、劉暁凱・貴州省人民政府副省長、禄文斌・貴州省扶貧基金会理事長ほか出席の下、日本政府を代表して当館の冨田晃次・首席領事が、それぞれのプロジェクトの被供与団体とG/Cに署名しました。

 

式典の様子
冨田首席領事の挨拶

 

「貴州省松桃苗族自治県蓼皋鎮衛生院建設計画」概要

 本計画は、国家級貧困県である松桃苗族自治県の蓼皋鎮において、老朽化した蓼皋鎮衛生院の総合棟を建て替えるプロジェクトです。このプロジェクトに対し、日本国政府は草の根無償資金協力によって建設資金92,675米ドル(約63万人民元相当)を供与することを決定しました。
 松桃苗族自治県は貴州省東北部の梵浄山東麓に位置し、農業を中心としている地域です。1963年に建設された蓼皋鎮衛生院は、長年にわたり地域医療に貢献しているものの、長期使用による建物内外の損傷が著しく、安全な建物への建て替えが焦眉の急となっております。また、医療設備自体も十分であるとは言えず、重症患者は遠方の病院に転院を余儀なくされているなど、医療環境の早急な改善が求められています。

 

診察室の様子
穴の開いた天井板

 

 本プロジェクトの実施により、鉄筋コンクリート3階建ての新総合棟が建設され、同鎮及び周辺地域の約12万人が安全で衛生的な環境で医療サービスを受けることができるようになり、地域の医療環境が大きく改善されるものと期待されています。

 

「貴州省台江県方召郷中日友好衛生院建設計画」及び「貴州省台江県革一郷茅坪小学校建設計画」概要

 「貴州省台江県方召郷中日友好衛生院建設計画」は、国家級貧困県に指定されている台江県の方召郷において、老朽化して危険家屋に指定された同郷衛生院の現有施設に替わり、新たに鉄筋コンクリート3階建ての総合病棟を建設するプロジェクトです。また、同県の革一郷で実施される「貴州省台江県革一郷茅坪小学校建設計画」は、同じく老朽化して危険家屋となっている同小学校の現校舎に替わり、鉄筋コンクリート3階建ての新校舎を建設するプロジェクトです。日本国政府は、草の根無償資金協力により建設資金として衛生院建設に92,494米ドル(約63万人民元相当)、小学校建設に96,813米ドル(約66万人民元相当)をそれぞれ支援します。

 

病室の様子(方召郷衛生院)
危険家屋である校舎(茅坪小学校)

 

 以上2件のプロジェクトの実施により、方召郷では同郷19,000人余りの住民が新衛生院にて十分な医療サービスを受けることが可能となり、また、茅坪小学校では同校220人余りの生徒が安心かつ安全な学習環境で授業を受けることができるようになり、地域の経済的・社会的発展に大きく貢献できると期待されています。

 

 当館は、これら3件のプロジェクトが早期に完成し、これら地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し、住民の方々がその効果を十分に享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通じて、日本と貴州省の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。
(了)