草の根無償資金協力竣工式
(雲南省鎮康県大寨小学校建設計画)
(雲南省徳欽県昇平鎮阿東村橋梁建設計画)

 

 日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金により雲南省で実施されていた「雲南省鎮康県大寨小学校建設計画」及び「雲南省徳欽県昇平鎮阿東村橋梁建設計画」の建設工事が完了し、2010年3月16日及び19日、それぞれのプロジェクトサイトにおいて竣工式が開催されました。式典には、当館の冨田晃次首席領事及び各プロジェクトの関係者が出席しました。

 

門札の除幕(大寨中日友好小学校)
橋梁計画竣工式の様子(阿東村)

 

「雲南省鎮康県大寨小学校建設計画」とは

 本プロジェクトは、国家級貧困県である鎮康県のモウ堆郷大寨村(「モウ」は孟へん+力)において、大寨小学校の校舎、学生宿舎及び学生食堂等を再建する計画です。日本国政府はこのプロジェクトに対し、建設資金87,719ドル(約60万人民元相当)を支援しました。  鎮康県は、雲南省の省都・昆明市の南西部約883キロに位置し、同県の西側はミャンマーとの国境地帯です。同県住民の生活は非常に貧しく、本プロジェクトの実施地である大寨村では住民の平均年間収入が588元という状況にあります。旧大寨小学校は、同村唯一の小学校として長年にわたり同地にて重要な役割を果たしていましたが、校舎等の損傷が著しく危険家屋に指定され、子供達の学習・生活環境の早急な改善が求められていました。  現在、新しい校舎、学生宿舎及び学生食堂等が完成し、子供達は整備された環境で学校生活を送ることができるようになりました。当館は、今回の支援を記念して新たに「大寨中日友好小学校」と命名された同校が、子供達の未来の活躍と地域全体の発展のために貢献していくことを期待しています。

 

危険家屋だった旧校舎(実施前)
完成した新校舎(実施後)

 

「雲南省徳欽県昇平鎮阿東村橋梁建設計画」とは

 本プロジェクトにより、国家級貧困県に指定されている徳欽県の昇平鎮阿東村において、老朽化した木造橋3本のコンクリート橋梁への架け替えが行なわれました。日本国政府はこのプロジェクトに対し、建設資金87,847ドル(約60万人民元相当)を支援しました。
 徳欽県は、雲南省の北西部の山岳地帯に位置し、生活環境は大変厳しい状況にあります。昇平鎮阿東村の村道には、以前3本の木造橋があり、同地区と付近の国道を結ぶ重要な役割を果たしていました。しかし、洪水が発生する度に補修が必要で、さらに冬季は通行困難となるため、一刻も早いコンクリート橋梁への架け替えが求められていました。
 本プロジェクトの実施により、同地域の交通状況が大幅に改善され、冬季など路面状況が悪い季節も車両の通行が可能となり、これにより地域全体の経済発展が更に促進されるものと期待されています。

 

丸太を通しただけの橋(実施前)
完成したコンクリート橋梁(実施後)

 

 当館は、この2件のプロジェクトの完成が地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し、住民の方々がその効果を享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通じて、日本と雲南省の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを希望しております。
(了)