草の根無償資金協力プロジェクト竣工式
(雲南省施甸県万興郷飲用水整備計画)日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下「草の根無償資金協力」)プロジェクトとして105,883米ドル(約70万人民元相当)の支援を実施した「雲南省施甸県万興郷飲用水整備計画」の工事が完了し、2012年8月1日、現地においてプロジェクトの竣工式が実施されました。
竣工式には、光岡英行・在重慶日本国総領事、丁慧宇・雲南省国際技術交流中心副主任、李宗華・雲南省施甸県人民政府副県長、馮春明・雲南省施甸県万興郷郷長ほか同県プロジェクト関係者及び近隣住民が参加して盛大に行われました。サイト視察では多くの住民が待ち受け、感謝の声が聞かれました。サイトの側にはプロジェクト記念碑(「ODAプレート」)が目のつくところに設置されており、本プロジェクトが日本政府の協力により完成したことが一目瞭然となっており、代々語り継がれていくものと思われます。また、家庭訪問では、家の主人が暖かく迎えてくれ、日本政府の協力に心から感謝している旨異口同音に述べていました。
竣工式典 プロジェクトサイト
「雲南省施甸県万興郷飲用水整備計画」とは
日本国政府の草の根無償資金協力により、雲南省施甸県万興郷における飲用水供給設備の整備計画を支援したプロジェクトです。
施甸県は雲南省の西部に位置し、省都・昆明市から約600kmに位置する山間の地域です。同県人口33.3万人のうち農業人口は30.4万人で、農民の年平均収入は1,568元(約235米ドル)と低い水準にあります。同県は財政的に困窮しており、中国政府により「国家級貧困県」に指定されています。万興郷は同県西南部に位置し、海抜高低差が1,845mという厳しい自然環境におかれています。同郷住民は97%以上が農業従事者で、主として米、とうもろこし、豆類などの作物を栽培していますが、昨年秋季より中国西南地域一帯で発生している大規模旱魃により農業用水が確保できず収穫量が激減し、経済的損失は甚大なものとなっています。特に本件のプロジェクトサイトのある同郷万興村地区は、地理的要因から未だ上水道が未整備であり、同地区住民365戸、人口1,561人は長年にわたり水をめぐる問題に悩まされてきました。また、上記のような旱魃が発生すれば、農業用水はおろか生活用水や飲用水の確保も極めて困難な状況となり、徒歩やバイク等により遠方から水を運搬することを余儀なくされ、身体的・経済的に大きな負担となっています。
このような状況を改善するため、日本国政府は草の根無償資金協力によって、同地での飲用水整備計画を支援しました。本件プロジェクト実施により、今回、日本政府からの支援を受け、同郷万興村地区の住民365戸、1,561人に加え、家畜1,362頭の飲用水をめぐる困難が解決されます。また安定的に生活用水や農業用水が供給されることにより、同地の人々の生活レベルの向上や、地域全体の経済・社会的発展が期待できます。
施設の一部 水道を使用する村民草の根無償資金協力は日本国民の中国国民に対する友好の証です。雲南省においては1991年以来、今回のプロジェクトを含めて合計38件、約303万米ドル(約2,278万人民元相当)をこれまで支援してきました。当館は、今回の草の根無償資金協力を通じて日本と雲南省との友好協力関係が更に密接になり、日本国民と中国国民のさまざまな分野での交流が一層発展するよう願っています。
(了)