草の根無償資金協力プロジェクト署名式
(重慶市彭水ミャオ族土家族自治県潤渓郷肖家村上水道整備計画)2013年3月20日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「重慶市彭水ミャオ族土家族自治県潤渓郷肖家村上水道整備計画」の資金贈与契約(G/C)署名式が重慶市内で行われ、邰展・重慶市人民政府副秘書長、宋暁国・重慶市対外貿易経済委員会副主任ほかの出席の下、日本政府を代表して光岡英行・在重慶日本国総領事が、プロジェクトの被供与団体とG/Cに署名しました。
総領事挨拶 彭水県人民政府とのG/C署名
「重慶市彭水ミャオ族土家族自治県潤渓郷肖家村上水道整備計画」
本計画は、重慶市彭水ミャオ族土家族自治県潤渓郷肖家村の上水道を整備するプロジェクトです。このプロジェクトに対し、日本国政府は草の根無償資金協力によって整備資金115,737ドル(約70.6万人民元相当)の供与を決定しました。
重慶市東南部の山間部に位置する彭水ミャオ族土家族自治県は、全体の約86.9%を山地が占める自然環境の厳しい地域です。同県では住民の多くが農業に従事していますが、収入の多寡は天候に左右されるため、生活は苦しい状況です。農村部の住民の平均年収は5,200元(約78,000円)と低く、同県は国家級貧困県に指定されています。
同県潤渓郷肖家村(4村組、1,337人)は住民の平均年収4,423元(約66,000円)と低く、貧困の度合いが特に高いです。集落が肖家沟渓(河川)の両サイドに点在しており、現在、上水道設備は整備されていないため、各戸が生活用水を確保することは非常に困難な地域です。住民は水汲み或いは自宅近くの水源(湧き水)からゴム製のホースを引くなどして生活用水を確保していますが、旱魃期にはこれすら確保できなくなることが多くなります。また、同地域には高齢者及び子供が多く、これらの人々にとり水汲みは大変な労力を費やす作業となっています。また、ゴム製のホースを引いている民家でも、破損等により安定的な生活用水の確保ができないため、生活のみならず農業生産にも支障が出ています。
水貯め容器 水汲みホース1 水汲みホース2 水源地本件プロジェクトが実施されれば、潤渓郷肖家村の住民1,337人余りの飲用水をめぐる困難が解決されます。また、安定的に生活用水や農業用水が供給されることにより、住民の生活・健康水準の向上や同地区全体の経済的・社会的発展が期待できます。
当館は、このプロジェクトが早期に完成し、住民の方々がその効果を十分に享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通じて、日本と重慶市の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。(了)