草の根無償資金協力プロジェクト署名式
(貴州省黎平県羅里郷上水道整備計画)2014年2月26日,日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「貴州省黎平県羅里郷上水道整備計画」の資金贈与契約(G/C)署名式が貴州省貴陽市で行われ,黄玲・貴州省扶貧基金会副理事長兼秘書長,顧晨・同基金会副秘書長,李放鳴・貴州省外事弁公室渉外処処長,譚俊端・同省黎平県人民政府副県長,徐業聰・同省黎平県水利局副局長ほか出席の下,日本政府を代表して当館の光岡英行・総領事が,プロジェクトの被供与団体とG/Cに署名しました。
光岡総領事の挨拶 黎平県人民政府とのG/C署名
「貴州省黎平県羅里郷上水道整備計画」概要
本計画は,国家級貧困県である黎平県羅里郷に上水道を整備するプロジェクトです。このプロジェクトに対し,日本国政府は草の根無償資金協力によって建設資金101,703米ドル(約61.3万人民元相当)を供与することを決定しました。
黎平県は,貴州省東部の湖南省との省境地域に位置し,省都・貴陽市から約500kmの山間地区にあります。同県は,25郷鎮,403行政村,18居委会,3,088村組を管轄しています。同県人口52万人のうち約85.51%が少数民族で,うち31.64万人がトン族住民であり,中国国内でトン族が最も多く居住する地域です。同県民の大多数は農業に従事していますが,同県政府は財政的に困窮しており,中国政府により国家級重点扶貧開発県(貧困県)に指定されています。
羅里郷は黎平県の北西に位置し,県政府から52km離れ,面積は166k㎡です。気候は年平均気温が16.3度,年平均雨量が1,321mm,無霜期間が264日間です。気候は温和で,日当たりがよく,雨量も多く,四季がはっきりとしています。同郷は16の行政村,67の自然寨,107の村組を管轄し,人口は17,224人,全員がトン族です。同地は可耕地が少ないことなどから,貧困度が高く住民の平均年収は1,837元(約306米ドル)と低いレベルにあります。同郷は地勢の高い所に位置しており,生活用水供給が非常に困難な地域で,且つ上水道設備が整備されていないため,水汲みなどに大変労力を費やし,農業生産に支障が出ることもあります。また,飲用水の衛生も確保できず,健康上の問題もあります。
村の様子 井戸(1) 井戸(2) 水汲みに行く住民本件プロジェクトが実施されれば,羅里郷地郎村及び高林遂村の住民1,160人余りの飲用水をめぐる困難が解決されます。また,安定的に生活用水が供給されることにより,住民の生活・健康水準の向上や同地区全体の経済的・社会的発展が期待できます。
当館は,同プロジェクトが早期に完成し,この地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し,住民の方々がその効果を享受できることを願っています。また,今回の草の根無償資金協力を通じて,日本と貴州省の交流および協力関係が更に密接になり,日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。(了)