草の根無償資金協力プロジェクト署名式
(雲南省元陽県南沙鎮大沙壩村委会上水道整備計画)2014年3月25日,日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「雲南省元陽県南沙鎮大沙壩村委会上水道整備計画」の資金贈与契約(G/C)署名式が雲南省昆明市で行われ,徐浡尭・雲南省発展改革委員会稽査特派員ほか雲南省側のプロジェクト関係者出席の下,日本政府を代表して当館の光岡英行・総領事が,プロジェクトの被供与団体とG/Cに署名しました。
総領事挨拶の様子 署名式の様子
「雲南省元陽県南沙鎮大沙壩村委会上水道整備計画」
本計画は,雲南省元陽県南沙鎮大沙壩村委会の上水道を整備するプロジェクトです。このプロジェクトに対し,日本国政府は草の根無償資金協力によって整備資金102,500米ドル(約61.5万人民元相当)の供与を決定しました。
雲南省元陽県は雲南省の南部,紅河の南岸に位置し,14郷鎮を管轄します。同県は亜熱帯季節風気候の山間地域に位置しており,標高により大きく気候が異なります。同県の面積は2122.32k㎡で,標高は144~2939.6mです。面積の42.8%を山地が占めており,農業用地は計37.23万ムーで一人当たりの農業用地はわずか0.87ムーです。同県の平均年収は毎年増加しているものの,農村部の住民の平均年収は3419元と依然低く,同県は国家級貧困県に指定されています。
同県南沙鎮大沙壩村の附近10kmのエリアには地下水源が少なく,安全な飲用水の確保が困難です。村民は五幇大沟という川を利用し,生活用水と農業用水をまかなっています。しかし,川の水は不衛生であり,飲用には不適切です。また,当地では旱ばつが頻発しており,時によっては川が干上がることさえあり農民の生活用水の確保に支障をきたしています。また,雨季には,川に土砂が混じり極めて不衛生となり,飲用水の確保が困難となります。
村の様子 大沙壩村で唯一の浄水器を設置 大沙壩村の既存貯水池 水源の一つ本件プロジェクトが実施されれば,南沙鎮大沙壩村の住民620人余りの飲用水問題が解決されます。また,安定的に生活用水が供給されることにより,住民の生活・健康水準の向上や同地区全体の経済的・社会的発展が期待できます。
当館は,このプロジェクトが早期に完成し,住民の方々がその効果を十分に享受できることを願っています。また,今回の草の根無償資金協力を通じて,日本と雲南省の交流および協力関係が更に密接になり,日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。(了)