草の根無償資金協力「重慶市武隆県桃園村飲用水整備計画」贈与契約署名式

 

 2006年3月7日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「重慶市武隆県桃園村飲用水整備計画」の贈与契約(G/C)署名式が、重慶市で開催され、冨田昌宏・在重慶日本国総領事、王学斯・重慶市人民政府副秘書長、李建春・重慶市対外貿易経済委員会主任、劉旗・武隆県人民政府県長、その他各関係者が出席しました。

 

署名式の様子
契約書の交換

 

「重慶市武隆県桃園村飲用水整備計画」とは

 「重慶市武隆県桃園村飲用水整備計画」は、日本国政府が同資金協力によって、国家級貧困県であり、重慶市政府の扶助重点行政区の一つでもある武隆県桃園村において、水道管29,050メートルを引く資金93,052ドル(約75万元相当)を供給する計画です。

 

援助の社会的背景

 武隆県は重慶市中心部から、車で東へ約250キロの地点に位置し、土地は険しく切り立った山と深い峡谷から成っています。桃園村は県の中心からさらに30キロ離れた海抜1,400メートルに位置し、農民の平均年間収入は1,050元と、重慶市の農村居住者年間純収入2,785元(2005年)を大きく下回っています。
 ここ35年の統計によると、2ヶ月間連続して雨が降らなかった年数は26年、計78回に上り、桃園村は山間部にあるため、村民の飲用水確保は非常に困難な状態です。現在、591戸の村民たちは、約3キロの道のりを往復1時間かけて水を汲んでおり、家屋の屋根に水だめを設置して雨水を飲用したり、水溜りの不衛生な水を利用しています。そのため、住民の多くはこれまでに何らかの形で腸道感染症を患っており、飲用水給水設備の緊急性が、極めて高くなっていました。

 

プロジェクトの意義

 桃園村に水道が引かれることによって、村民2,665名と6,000頭の家畜に安全な飲用水が供給されることになります。署名式での武隆県人民政府県長の挨拶の中では、本プロジェクト実施後に産業調整を実施し、家畜産業や漢方薬の栽培業を発展させ、農民の収入を増加させることにより、桃園村を武隆県の新農村建設の一つのモデルとして行きたい旨、説明がありました。
 また、プロジェクト完成後には、少額の水道使用費を徴収しつつ、地域住民によって水道管の維持管理が行われます。当館は、本プロジェクトが、地域住民の自助努力を促しつつ、貧困地域の発展に寄与するとともに、「飲水思源」という言葉のように、水の供給をめぐる本日中協力案件が、現地の人々の間で語り継がれるようになることを願っています。
(了)