草の年無償資金協力署名式
(重慶市墊江県迎鳳村小学校校舎建設プロジェクト)

 

 1月29日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「重慶市墊江県迎鳳村小学校校舎建設プロジェクト」の贈与契約署名式が重慶市で行われました。署名式では重慶市政府弁公庁の厳曉光主任及び同市対外貿易経済委員会の宋暁国副主任の同席の下、当館の冨田昌宏総領事と姚晨光墊江県副県長がそれぞれG/C(贈与契約)への署名を行いました。

 

                   
贈与契約書に署名する様子
握手する冨田総領事と姚晨光副県長

 

「重慶市墊江県迎鳳村小学校校舎建設プロジェクト」とは

 「重慶市墊江県迎鳳村小学校校舎建設プロジェクト」は、日本国政府の無償資金協力により、墊江県普順鎮において新たに2階建ての迎鳳村小学校校舎を建設する計画に対して、必要な資金75,202米ドルを供与するプロジェクトです。

 

「プロジェクト実施の背景」

 重慶市中部に位置する墊江県は、全人口の67%が農民であり、地域的には三峡ダム生態経済区に属するため、県全体が未だ発展途上といえます。本プロジェクトの所在地である普順鎮は鎮外につながる道路(県道)が1本しかない上、山間区に位置するため産業振興の手段が限られ、当地の農民収入は県平均の3,099元にも満たない2,632元です。プロジェクトサイトの迎鳳村周辺には3つの小学校がありますが、すべてD級危険家屋で使用禁止となっています。そのため子供たちは2時間かけて鎮の中心校に通うか、電気のない民家の倉庫などで授業を受けるしかなく、学習・生活環境は極めて劣悪です。本来であれば早急な建て替えが必要ですが、地元政府及び住民は財政的余裕に乏しく、自力での新校舎建設は非常に困難な状態です。

 

                   
危険家屋となっている村小学校
間借りしている教室での授業

 

 本プロジェクトの実施により新設される迎鳳村小学校は迎鳳村周辺の3つの小学校を統合した6年制の完全校となるため、これまで2~3学年しかなかった学区の児童も途中で転校することなく一貫して教育を受けることができるようになります。また、新校舎完成後は安全かつ設備の整った校舎で学ぶことができるようになります。
 当館は、このプロジェクトが早期に完成し、この地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し、住民の方々がその効果を享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通して、日本と重慶市の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。