草の根無償資金協力贈与契約署名式
「貴州省黄平県谷隴鎮民族中心衛生院建設計画」
「貴州省剣河県敏洞郷衛生院建設計画」
「貴州省江口県万溝小学校建設計画」

 

 2006年12月12日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である、「貴州省黄平県谷隴鎮民族中心衛生院建設計画」、「貴州省剣河県敏洞郷衛生院建設計画」及び「貴州省江口県万溝小学校建設計画」の贈与契約署名式が、貴陽市の貴州聖灃酒店で開催されました。劉鴻庥・貴州省人民政府副省長、陳海若貴州省外事弁公室主任、余文春・貴州省商務庁副庁長、禄文斌・貴州省扶貧基金会理事長の出席の下で、当館の冨田昌宏総領事と李文昌・黄平県県長、楊建平・剣河県県長、楊彪・江口県県長の間でG/C(贈与契約)への署名が行われました。

 

                   
出席者一同
署名式

 

「貴州省黄平県谷隴鎮民族中心衛生院建設計画」とは

 「貴州省黄平県谷隴鎮民族中心衛生院建設計画」は、日本国政府が無償資金協力により、国家級貧困県である黄平県の衛生院において、危険家屋ととなっている衛生院を再建する資金87,471米ドル(約69万元相当)を供与する計画です。
 黄平県は、貴州省東南部の海抜600~1,000メートルに位置する、苗族などの少数民族が人口の大半を占める国家級貧困県です。
 谷隴鎮民族中心衛生院は、1951年に設立されましたが、現有施設は国家認定のD級危険家屋(AからDまでのランクがあり、D級は危険度が一番高い)となっており、早期の取り壊しが求められていました。また、院内のスペースが限られており、一般患者と伝染病患者との分離すらも徹底出来ていない状態でした。
 本件援助により、新たに病室17室、各種診療処置室を備える4階建ての衛生院が建設されることとなり、谷隴鎮の住民4.2万人、および周辺の4つの郷の住民6.4万人が適切な医療環境で治療を受けることができるようになります。当館は、このプロジェクトが、貧困県における基礎医療環境の向上に寄与することを希望します。

 

                   
危険家屋となっている衛生院入口
混雑する病室

 

「貴州省剣河県敏洞郷衛生院建設計画」とは

 「貴州省剣河県敏洞郷衛生院建設計画」は、日本国政府が無償資金協力により、国家級貧困県である剣河県の衛生院において、危険家屋ととなっている衛生院を再建し、医療器材を購入する資金、87,223米ドル(約69万元相当)を供与する計画です。
 敏洞郷は貴州省東南部の山間地域に位置する、剣河県の中でも特に貧しい地域となっています。
 敏洞郷衛生院は、国家認定のC級危険家屋である建物の1階に位置しており、面積はわずか120㎡、ベット数は5床と、地域住民1.4万人の医療ニーズを満たすにはほど遠い状態でした。また、医療器材も最低限のものしか有しておらず、患者は車で3時間かけて県の中心部まで治療に行くことが多いため、経済的にも大きな負担となっていました。
 本件援助により、4階建て衛生院総合棟、トイレ、レントゲン機、および半自動生化学分析器の購入資金が供与されることとなります。当館は、このプロジェクトが、貧困県における基礎医療環境の向上に寄与し、多くの住民が地元で安心して医療サービスを受けることが出来るようになることを希望します。

 

                   
正門
衛生院内部

 

「貴州省江口県万溝小学校建設計画」とは

 「貴州省江口県万溝小学校建設計画」は、日本国政府が無償資金協力により、国家級貧困県である江口県の小学校において、危険家屋ととなっている小学校を再建する資金87,843米ドル(約69万元相当)を供与する計画です。
 江口県万溝小学校の校舎は、1970年代に地域住民が独自に出資して建設したもので、国家認定のD級危険家屋となっていました。さらに、近隣の廃校となる小学校の生徒を受け入れる必要があり、深刻な教室不足となることが予想されていたため、現在の校舎を撤去し、新しい校舎を建設することが急務でした。
 本件援助により、新校舎、トイレ、教師宿舎、運動場等が新たに建設され、同校の490名の生徒達が、安心して授業を受けられる環境が整うことになります。当館は、このプロジェクトが、貧困県における基礎教育の発展に貢献することを希望します。

 

                   
小学校校門
教室内部