草の根無償資金協力竣工式
(重慶市開県和謙鎮仁和村飲用水施設建設プロジェクト)

 

 日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力によって重慶市の中心部の北東280キロにある開県和謙鎮仁和村において、飲用水施設の建設が進められてきましたが、昨年2007年10月末に完成し、本年5月9日、同村において竣工式が開催されました。
 竣工式には当館の冨田昌宏総領事、重慶市対外貿易経済委員会宋暁国副主任のほか、地元政府関係者及び周辺住民が出席して盛大に行われました。関係者の挨拶では、本件飲用水施設の建設意義や日本政府への感謝の意が表明されるとともに、現地の住民及び関係者の飲用水施設の完成に対する喜びが感じられました。

 

記念碑
竣工式に参加した住民
竣工式
テープカット

 

「重慶市開県和謙鎮仁和村飲用水施設建設計画」とは

 本プロジェクトは、日本国政府の無償資金協力により、重慶市の国家級貧困県である開県和謙鎮仁和村において、飲用水を供給するため、貯水池から居住区までの間の水道管を敷設する資金83,528米ドルを供与するプロジェクトです。なお、貯水池などの附属施設の設置を地元政府が、居住区から各戸までの水道管および水道メーターの設置を各家庭が負担しました。
 開県和謙鎮仁和村は経常的な水不足に悩まされている地域です。村人たちは毎日水を汲むために山道を往復し、中には汚染された農業用の溜め池の水を飲んで健康を害す村人もいました。また、同地域は2006年夏に「100年ぶりの大旱魃」に遭遇し、住民は大変な苦労を経験しました。
 本件プロジェクトにより、1,043戸、5,600人の村人が安全な水の安定的な給水を受けられるようになります。
 当館は、今回の草の根無償資金協力が、重慶市における貧困地域の発展と生活水準・福利の向上に貢献することを期待するとともに、日本と重慶市の交流及び協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が促進されることを希望しています。「飲水思源」、「飲水不忘掘井人」という諺があります。今回のプロジェクトは井戸を掘るわけではありませんが、この村の住民が、給水設備の完成後に水を飲む時に、日中双方の関係者の協力を思い起こしてくれることと信じています。
(了)