草の根無償資金協力「四川省平昌県得勝小学校校舎建設計画」
贈与契約署名式

 

 2006年8月4日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「四川省平昌県得勝小学校校舎建設計画」の贈与契約署名式が四川省成都市の広島・四川中日友好会館で開催され、冨田昌宏・在重慶日本国総領事と、李映・平昌県人民政府県長がそれぞれ契約書に署名を行いました。

 

式典の様子
署名の様子
契約締結完了

 

「四川省平昌県得勝小学校校舎建設計画」とは

 「四川省平昌県得勝小学校校舎建設計画」は、日本国政府が無償資金協力により、国家級貧困県である平昌県の小学校において、22教室を備える6階建ての新校舎を建築する資金、87,493米ドル(約72万人民元相当)を供与するものです。
 また、同プロジェクトの実施に伴い、同時に地元の県政府の負担によって実験器材・体育器材が購入される予定です。

 

援助の社会的背景

 平昌県は、四川省東北部の山間部に位置し、農業を主要な産業とする国家級貧困県です。県内の年間平均収入は約1,500元と、四川省の農村居住者一人当たり年間純収入2,802元(『国民経済・社会発展統計公報』2005年度版より)を大きく下回っています。得勝鎮は平昌県政府所在地から車で1時間の距離にあります。
 1980年代に地域住民の出資により建設された得勝小学校の校舎は、国家認定のD級危険家屋でした(AからDまでのランクがあり、D級とは、危険性が高いため早急に建て替えが求められている建築物を指します)。また、全ての学級の生徒数が90人を超過しており、そのうち5つの学級は生徒数が100人超と、深刻な教室不足に悩まされていました。このような背景の下、当館が実施した調査により、子供たちに安全かつ快適な教育環境を提供するために、同校に早急に新校舎を建設する必要性があると認められました。

 

危険家屋となっている校舎(背面)
十分な広さが取れない教室
危険家屋となっている校舎(側面)

 

 本件援助によって新校舎が完成すれば、計1,980名の生徒たちが国家基準を満たした校舎で安心して授業を受けられるようになる予定です。当館は、このプロジェクトが、この地域における基礎教育の発展に貢献することを切に希望します。
(了)