草の根無償資金協力
「雲南省塩津県普洱鎮中心衛生院入院病棟建設計画」及び
「雲南省迪慶チベット族自治州農村婦女実用技術訓練・保健知識訓練計画」
贈与契約署名式2006年8月17日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である「雲南省塩津県普洱鎮中心衛生院入院病棟建設計画」及び「雲南省迪慶チベット族自治州農村婦女実用技術訓練・保健知識訓練計画」の贈与契約署名式が、雲南省昆明市で行われました。王義明・雲南省人民代表大会常務委員会副主任、喻頂成・雲南省商務庁副庁長等の列席の下、冨田昌宏・在重慶日本国総領事と、李彊・塩津県県長、楊鳳喜・迪慶チベット族自治州婦女連合会主席が、それぞれ契約書に署名を行いました。
1.「雲南省塩津県普洱鎮中心衛生院入院病棟建設計画」とは
「雲南省塩津県普洱鎮中心衛生院入院病棟建設計画」は、日本国政府が無償資金協力により、国家級貧困県である塩津県の普洱鎮中心衛生院において、3階建ての入院病棟を建築する資金、83,981米ドル(約67万人民元相当)を供与するものです。
援助の社会的背景
塩津県普洱鎮は、昆明市より列車と車で14時間の山間部に位置し、1千~2千m級の山々に囲まれた、国家級貧困県である塩津県の中でも、特に貧しい地域です。当地域の年間平均収入は832元と、雲南省の農村居住者一人当たり年間純収入2,041元(『国民経済・社会発展統計公報』2005年度版より)を大きく下回っています。
普洱鎮中心衛生院は、鎮の中心的な医療機関であるだけでなく、近隣の村落の住民や労働者約15万人の医療サービスを負担しています。しかしながら、同衛生院は老朽化の為、建築面積の87%が国家認定のD級危険家屋となっていました(AからDまでのランクがあり、D級とは、危険性が高いため早急に建て替えが必要な建築物を指します)。このような背景の下、当館が実施した調査により、地域住民に適正かつ安全な医療環境を提供するために、同衛生院に早急に新入院病棟を建設する必要性があると認められました。
本案件が実施されれば、地域住民が安心して医療サービスを受けられる環境が整い、現有の医療器材の、更なる有効活用が可能となります。当館は、当プロジェクトが、この地域における基礎医療の発展に貢献できればと願っています。
「雲南省塩津県普洱鎮中心衛生院入院病棟建設計画」
贈与契約締結 プロジェクト関係者各位と
2.「雲南省迪慶チベット族自治州農村婦女実用技術訓練・保健知識訓練計画」とは
「雲南省迪慶チベット族自治州農村婦女実用技術訓練・保健知識訓練計画」は、日本国政府の無償資金協力により、国家級貧困地域である迪慶チベット族自治州に在住する、農村婦女2,100名に対して、農業・養殖技術の訓練、保健衛生知識の講義を行う費用、48,689米ドル(約54万人民元相当)を供与するものです。
援助の社会的背景
シャングリラ県で有名な迪慶チベット族自治州は、雲南省の西北端に位置し、貧困人口が全体の40%以上を占めています。州内の平均海抜は3,600メートルに達し、山間部では、貧困と交通の不便さから、外部の情報に接する機会が少なく、特に女児の入学率・識字率が低いため、農業に対する科学的な技術や保健衛生知識等が普及していない状態です。
今回のプロジェクトは、自治州内の8つの郷のうち、30ヶ所のチベット族、リス族行政村に住む婦女に対して、農作物栽培、家畜養殖に関する実用技術訓練と、健康知識に関するセミナーを開催するものです。
本案件が実施されれば、訓練を受ける2,100名の婦女とその家族の収入増加・生活条件の改善が見込まれるだけでなく、近隣の農家も含めた合計約2万人が、科学的な農業・畜産技術と、衛生知識に触れる機会を得ることになります。当館は、同プロジェクトが、この地域における経済発展と、住民の基礎生活条件の向上に寄与できればと願っています。
「雲南省迪慶チベット族自治州農村婦女実用技術訓練
・保健知識訓練計画」贈与契約締結 プロジェクト関係者各位と