草の根無償資金協力署名式
(貴州省石阡県唐家営中心小学校建設プロジェクト)
(貴州省錦屏県瑶光小学校建設プロジェクト)2008年2月26日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「貴州省石阡県唐家営中心小学校建設プロジェクト」及び「貴州省錦屏県瑶光小学校建設プロジェクト」の贈与契約署名式が貴陽市で行われました。署名式では蒙啓良貴州省副省長、禄文斌同省扶貧基金会理事長の同席の下、当館の冨田昌宏総領事と趙貢橋石阡県県長、劉業海錦屏県副県長がそれぞれG/C(贈与契約)への署名を行いました。
冨田総領事の挨拶 贈与契約書への署名(石阡県)
「貴州省石阡県唐家営中心小学校建設プロジェクト」とは
本プロジェクトは、日本国政府の無償資金協力により、石阡県において新たに4階建ての唐家営中心小学校の校舎及び附属施設を建設する計画に対して、必要な資金85,795米ドルを供与するプロジェクトです。
「プロジェクト実施の背景」
石阡県は、同省東北部の農村地帯に位置する国家級貧困県です。1963年に建築された同小学校は、老朽化のため倒壊の可能性があるD級危険家屋に指定されており、特に雨漏りが深刻で、雨天時には学生は傘をさしながら授業を受けている状態です。このような劣悪な教育環境の早急な改善が求められていましたが、国家級貧困県である石阡県政府の財政能力には限りがあり、独自に再建を行うことは困難であったため、日本政府による草の根無償資金協力による支援を要請するに至りました。
雨漏りする天井 教室本プロジェクトの実施により唐家営中心小学校における現在の児童数538人の教育条件が改善されるとともに、他校へ転校していった学生約100人が同学校に戻ることができるようになります。広義の裨益効果としては、地域における初等教育の向上により、地域住民の生活レベルの向上が期待できます。
贈与契約への署名(錦屏県) 署名を祝し乾杯
「貴州省錦屏県瑶光小学校建設プロジェクト」とは
本プロジェクトは、日本国政府の無償資金協力により、錦屏県において、すでにD級危険家屋と指定されている校舎などの建て替えをする計画に対して、必要な資金86,049米ドルを供与するプロジェクトです。
「プロジェクト実施の背景」
錦屏県は、貴州省南東部の湖南省との辺境の森林地帯に位置する国家級貧困県です。同小学校は2003年に建設された新しい建物であるにも拘らず、資金不足による低品質の建築である上、土砂崩れや、鉄砲水などの自然災害が重なり、校舎が歪み非常に危険な状態ですが、同県政府は財政難により独力での校舎の建て替えをすることが困難であるため現状の改善ができず、児童260人がなおもこの中で授業を受けざるをえない環境にいます。
教室 校舎裏の土砂崩れ本プロジェクトの実施により、児童は安全が確保された環境の下で授業を受けることができるようになります。また、同小学校の現在の在籍児童数260人の他に近隣の2つの小学校の生徒が同校に転校してくる予定であり、瑶光小学校では約400人まで児童数が増加するので、裨益効果の拡大が見込まれます。新校舎には図書室とマルチメディア室も設置され、児童たちがより質の高い教育を受けることで、今後の地域社会の発展に期待できます。
当館は、この2件のプロジェクトが早期に完成し、この地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し、住民の方々がその効果を享受できることを願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通じて、日本と貴州省の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。
(了)