草の根無償資金協力贈与契約署名式の実施
四川省衛生院建設プロジェクト

 

 2007年3月9日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件である、「四川省瀘定県興隆鎮衛生院建設計画」の贈与契約署名式が、成都市の西蔵飯店で開催され、喬仁毅・省人民政府副秘書長および、施正華・省商務庁副庁長の同席の下、当館の冨田昌宏総領事と王強・瀘定県県長の間で、G/C(贈与契約)への署名が行われました。

 

署名の様子
瀘定県県長と

 

「四川省瀘定県興隆鎮衛生院建設計画」とは

 「四川省瀘定県興隆鎮衛生院建設計画」は、日本国政府が無償資金協力により、国家級貧困県である瀘定県において、危険家屋となっている衛生院を、鉄筋コンクリート3階建ての衛生院に立て替える資金、87,011米ドル(約67万元相当)を供与する計画です。なお、医療設備の購入およびスタッフの訓練費を、地元政府が負担する予定です。

 

現在使用されている衛生院
診察室の様子

 

プロジェクト実施の背景

 瀘定県は、四川省西部の深い渓谷の中に位置する、平均海抜が1,400メートルの山岳地帯です。興隆鎮衛生院は地域の主要な医療機関であるにもかかわらず、非常に簡素であり、かつ老朽化により国家指定の危険建築物となっています。本件プロジェクトは、衛生院総合棟を鉄筋コンクリート3階建てに建て替え、興隆鎮および周辺に居住する2万人余りの地域住民が、安全で適切な医療環境で医療サービスを受けることができるようにするものです。
 御承知の通り、近年の国際的な交流の増大に伴い、世界各地で国境を越えた感染症の流行が見られるようになり、医療衛生施設の充実の重要性が高まっています。2003年にはSARSが国際的に流行し、中国においてその対策が大きな社会問題となったのは記憶に新しいことです。その後、アジア諸国を中心として、高病原性鳥インフルエンザの流行が問題となっています。このような感染症の脅威を防ぐためには、保健医療体制の不十分な地方、特に農村地域において、医療施設を充実させることが不可欠です。その点において、今回の衛生院の建設は極めて重要な意義を持っています。
 当館は、このプロジェクトが、貧困県における基礎医療環境の向上に寄与することを希望します。