草の根無償資金協力竣工式(重慶市飲用水施設建設プロジェクト)

 

 2007年7月13日、日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力によって重慶市武隆県桃園村で完成した飲用水施設の竣工式が同村で開催されました。竣工式には冨田昌宏総領事、重慶市対外貿易経済委員会宋暁国副主任、陳暁明武隆県副県長ほかが出席し、村民など約500名が集まりました。式典において行われた中国側関係者の挨拶では、それぞれ本件援助プロジェクトへの評価と感謝の意が表明されました。

 

テープカットの様子
会場の人々

 

「重慶市武隆県桃園村飲用水整備計画」とは

 「重慶市武隆県桃園村飲用水整備計画」とは、日本国政府の無償資金協力により、重慶市の国家級貧困県である武隆県の桃園村において、水道管29,050メートルの設置に必要な資金、93,052米ドルを供与したプロジェクトです。昨年3月7日に、贈与契約署名式が重慶市中心部にて開催され、日本国政府の援助資金による水道管設置と、地元政府の補助金による貯水池の建造、利用者の自己資金による村から各家庭までの水道管設置工事が、昨年12月に無事完成しました。

 

家屋に設置された水道管
記念碑
(村の中心から家庭までの水道管敷設費は地元政府が負担しています)

 

 武隆県は、険しく切り立った山と深い峡谷から成る国家級貧困県で、年間降雨量が限られているため、住民の飲用水確保は困難を極めていました。住民たちは平均2.5~3キロメートルの道のりを往復約1時間かけて水を汲む必要があり、家屋の屋根に雨水を溜めて飲用したり、近場の水溜りの不衛生な水を飲用せざるを得ない状況でした。
 今回のプロジェクト完成により、自宅に居ながら、安全な水を享受することができるようになり、村人たちの喜びもひとしおです。地元の新聞では、「日本国政府の援助の手により、やっと安心して水が飲める」という旨の記事が掲載されました。
 当館は、このプロジェクトが、貧困県における基礎生活環境の向上に寄与することを希望します。また、今回の草の根無償資金協力を通して、日本と重慶市の交流および協力関係が更に密接になり、日本国民と中国国民の友好関係が一層促進されることを希望しています。