草の根無償資金協力署名式
(雲南省永仁県維的郷利民飲用水設備建設プロジェクト)10月23日、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「雲南省永仁県維的郷利民飲用水設備建設プロジェクト」の贈与契約署名式が昆明市で行われました。署名式では雲南省商務庁の李極明副庁長及び同庁国際経貿関係外事処の殷永林処長の同席の下、当館の冨田昌宏総領事と、趙克義永仁県県長がそれぞれG/C(贈与契約)への署名を行いました。
署名式の様子 挨拶をする冨田総領事
「雲南省永仁県維的郷利民飲用水設備建設プロジェクト」とは
「雲南省永仁県維的郷利民飲用水設備建設プロジェクト」とは、日本国政府の無償資金協力により、永仁県維的郷において、衛生的な飲用水の確保が困難である現状を解決するために、濾過設備、浄水場、貯水池、ポンプステーション等を建設する計画に対して、必要な資金79,841米ドルを供与するプロジェクトです。
プロジェクト実施の背景
永仁県は昆明市の北西から200キロほど離れた所に位置する国家級貧困県です。維的郷では、84ある村のうち清潔な飲用水があるのは21の村、郷総人口の28%のみで、72%の人々が安全基準に満たない水を飲んでいます。多くの村人は溜めた雨水を飲んでいる状態であり、そのために現地住民は感染症等の疾病に悩まされています。このような問題を解決するために、飲用水設備の建設が急務となっていますが、地元政府の財政能力には限りがあるため、独自に資金を調達することは困難な状態でした。
村民が雨水の池から取水している様子 家屋内の水溜めに保存本プロジェクトの実施により、維的郷内の給水範囲に含まれる住民約2,300人、780頭の家畜の飲用水の水質が安全基準に達し、水道水普及率は36%から92%に上がり、当該郷における安全な飲用水の使用比率も28%から49.4%に向上します。
当館は、このプロジェクトが早期に完成し、この地域における社会的発展と生活水準・福利の向上に貢献し、住民の方々がその効果を享受できるように願っています。また、今回の草の根無償資金協力を通して、日本と雲南省の交流および協力関係が更に密接になり、日中両国民の友好関係が一層促進されることを期待しています。