在留邦人の皆様へ
平成19年12月12日在重慶日本国総領事館
今般、中国における鳥インフルエンザのヒト-ヒト感染疑い例の発生に関する感染症スポット情報が、11日付で外務省より発出され、「海外安全ホームページ」に掲載されました。特に南京市に滞在予定の方は、日本入国時の検疫体制が強化されたことにも充分留意しつつ引き続き関連情報の入手に努めて下さい。
(感染症スポット情報)
1.中国(江蘇省南京市)における鳥インフルエンザのヒト-ヒト感染疑い例の発生
2007年12月10日、中国衛生部は中国江蘇省南京市においてH5N1型鳥インフルエンザのヒト感染例が2例確認されたことにつき、以下(1)、(2)及び(3)のとおり発表しました。いずれのケースも家禽類との接触歴が確認されておらず、さらに親子が感染したことからヒト-ヒト感染の疑いも指摘されていますが、中国衛生部が、感染源等につき現在調査をしています。なお、現在までに中国国内で確認された鳥インフルエンザ感染者は本件を含め27人で、うち17人が死亡しています。
(1)感染者の情報
症例1:24才、男性、家禽類との接触歴なし
11/24発症、11/27入院、12/2死亡
症例2:52才、男性、症例1の父親
12/3発症・入院、12/10現在 病状は安定
(2)感染源
症例1及び症例2とも判明していない。症例2の感染は、次の可能性がある。(イ)症例1との密接な接触により感染(ロ)症例1とともに感染(ハ)症例1とは別々に感染。現在感染源について、詳細に調査中。
(3)病原学検査結果
症例1のウイルスを分析した結果、禽源性であり、変異は発生しておらず、ヒトからヒトへ移る生物学的な基礎は備えていない。
2.我が国の検疫強化
上記の状況を受け、厚生労働省は12月9日以降、中国からの帰国者について以下のとおり空港等における検疫を強化しています。また、検疫の詳細については、厚生労働省に御確認ください。
(1)サーモグラフィー(熱感知装置)等により、インフルエンザ様症状の者(38℃以上の発熱及び急性呼吸器症状がある者)を確認。
(2)上記(1)で確認されたインフルエンザ様症状の者については、10日以内に、
(イ)鳥インフルエンザ(H5N1)に感染している又は感染している疑いのある鳥と接触したか
(ロ)鳥インフルエンザ(H5N1)に感染している又は感染している疑いのある患者と接触したか
(ハ)中国からの入国者については、江蘇省南京市に滞在していたか
を確認。
(3)上記(2)で接触歴又は滞在歴が確認された者については、鳥インフルエンザ(H5N1)に感染しているか検査を実施。
(4)上記(3)で検査中にH5型の鳥インフルエンザが確認された者や、検査の結果、H5N1型鳥インフルエンザに感染していることが確認された者は、治療のための入院措置をとる。
3.鳥インフルエンザ発生地域に渡航・滞在予定の方は、家禽類や野鳥類への接触を避け、衛生管理に十分注意してください。その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。
(http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/sars_qa.html)
鳥インフルエンザ発生地域については、厚生労働省作成の別添資料を御参照ください。
(問い合わせ先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
○外務省安全ホームページ:http://www.mofa.go.jp/anzen
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/tori/index.html
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/