中国の査証、居留許可、就労、オーバーステイに関する注意事項

令和7年4月25日
ここでは中国政府の査証、出入国審査、居留許可、就労等について説明します。詳細やご不明の点については、駐日中国大使館や各中国総領事館に御照会下さい。
1  中国の査証(ビザ)
(駐日中国大使館関連HP
   http://jp.china- embassy.gov.cn/jpn/lszc/hzqzyw/202411/t20241122_11531311.htm )
(1)査証(ビザ)の免除
2024年11月30日より、中国政府は、日本の一般旅券保持者について滞在期間30日以内のビザ免除措置を開始しました(2025年12月31日(北京時間24時)まで)。ビザが免除される対象は商業・貿易、観光、親族訪問、交流・訪問としており、留学や就労等これら以外の目的による入国は、入国前にビザを取得する必要があります。
 
(2)査証(ビザ)の取得
 中国入国後の滞在日数が30日を超える(もしくは超えることが予想される)場合にはビザが必要です。また、滞在日数が30日を超えない場合であっても上記(1)に掲げた「商業・貿易、観光、親族訪問、交流・訪問」以外の留学や就労等の目的で中国に渡航する場合、その渡航目的に相当するビザを入国前に取得する必要があります。日本又は第三国にある中国大使館、総領事館で必ずビザを取得してください。

2 居留許可と就労
 最近、中国滞在において、居留許可の期限切れや不法就労等、規則をしらないために当局の処分を受ける事案が発生しています。下記をお読み頂き、当局に違法行為と見なされないよう十分ご注意下さい。(併せ下記3「オーバーステイについて」もお読み下さい。)
(1)居留許可
 入国後、「居留許可」の手続きが必要とされる外国人(就労または180日を超える長期滞在者)は、中国入国後30日以内に管轄の公安機関において「居留許可」の申請が必要です。
 居留期間を延長する場合、居留許可の有効期間満了の30日前までに申請が必要です。居留許可の発行や居留期間の延長には最長15営業日が必要とされています。
 また、パスポート番号の変更など居留許可の内容に変更が生じた場合は変更事由が生じた日から10日以内に変更の申請が必要です。
(2)就労
 あらかじめ、労働行政部門から「外国人来華工作許可」を受けた上で、就労査証(Zビザ)を取得する必要があります。短期間の渡航であっても、現地受入先への技術指導や興行等は就労にあたるとされます。渡航目的が就労に当たるか否かについては、個別に確認してください。
 中国入国後は、15日以内に労働行政部門へ申請をし「外国人工作許可証」の発行を受けます。その後、管轄の公安機関において「居留許可」を申請します。
 居留期間の延長の際に「外国人工作許可証」の更新も行う必要があります。「外国人工作許可証」を受け取る前に就労した場合、出入境管理法違反で罰則を受ける可能性があるので注意してください。
 「出入国管理法」には、不法滞在には1万元以下の罰金または15日以下の拘留を科す、不法就労には2万元以下の罰金及び15日以下の拘留を科し悪質な場合は国外退去処分とするとあります。
 なお、留学生やインターンシップの資格保持者はアルバイトが可能とされているものの、実際に許可を得られることは希で、実質、就労不可とされています。
 また、外国人工作許可が与えられている業務の範囲を超えた就労活動をし、報酬を得た場合は、不法就労とみなされます。許可された範囲を超えた就労(資格外活動)をしないよう注意が必要です。
 
(参考)就労にかかる中国関連法規
(1)中華人民共和国中央人民政府 人力資源和社会保障部規章 外国人在中国就業管理規定
第8条
居留許可証を取得していない外国人(すなわち,訪問(F)、旅行(L)、乗務(C)、トランジット(G)ビザを所持する外国人),中国における留学生、インターンシップを目的とした外国人実習生、就業(Z)ビザを所持する外国人に同伴する家族は、中国において就労することができない。
 
第15条
雇用主は、雇用する外国人が入国してから15日以内に、許可証(中華人民共和国外国人就業許可証書)、雇用する外国人と締結した労働契約書、有効な旅券または旅券に替わる書類を持参し、「外国人就業登録用紙」に記入の上、元の発行機関に当該外国人の就業証を申請しなければならない。
 
第16条
就業証を取得した外国人は、入国後30日以内に、就業証を持って公安当局に居留許可証を申請しなければならない。居留許可証の有効期間は、就業証の有効期間に基づいて決められている。
 
第23条
中国国内で雇用される外国人の雇用主は、就業証に記載された雇用主と同一でなければならない。
外国人が、就業証を発行した当局の指定する地域内において雇用主を変更し、元の職業に就業する場合は、元の就業証発行当局の許可を得て、就業証の変更手続きを行わなければならない。
外国人が就業許可就業証発行当局の規定した地域を離れて就業したり、元の地域内で雇用主を変更し、異なる職業に就業する場合は、新たに就業証を取得する手続を行わなければならない。
 
第28条
外国人が、労働行政部門による就業証の検査を拒否した場合や、許可なく雇用主を変更した場合、許可なく職業を変更した場合、許可なく雇用期間を延長した場合、労働行政部門は就業証を回収し、公安機関に照会して在留資格を取り消す。当該機関が外国人を強制送還しなければならない場合、強制送還にかかる費用は雇用主または当該外国人が負担する。

(2)中華人民共和国出入境管理法
第41条
外国人が中国で就労する場合には、規定に従い就労許可証および就労類居留許可証を取得しなければならない。 いかなる単位および個人も、就労許可証または就労類居留許可証を取得していない外国人を招聘雇用してはならない。

第43条
次の各号のいずれかに該当する外国人は不法就労とみなされる:
(1)就業許可証および規定に基づく就労型居留許可証を取得せずに中国で就労すること。
(2)就業許可の範囲を超えて中国で就労すること。
(3)就業許可証の範囲を超えて中国国内で就労し、就労管理規則に違反した留学生。
 
第62条
外国人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、本国から退去させられる:
(1)限定出国の刑に処せられ、所定の期間内に出国しない場合。
(2)入国が許可されない場合。
(3)不法に居住し、又は不法に就労している場合。
(4)本法または退去強制を必要とする他の法令もしくは行政規則に違反した場合。
その他、前項各号の(1)に該当する在外者は、法令に基づき退去強制することができる。
退去強制された者は、退去強制の日から1年以上5年以下の間、入国を許可されない。
 
第80条
不法に雇用された外国人は、5千元以上2万元以下の罰金に処する。情状が重い場合は、5日以上15日以下の拘留に処し、さらに5千元以上2万元以下の罰金に処する。
外国人を不法就労に紹介した者は、1人の不法紹介につき5千元の罰金を科し、その総額は5万元を超えないものとし、組織は、1人の不法紹介につき5千元の罰金を科し、その総額は10万元を超えないものとし、不法所得がある場合は、不法所得を没収する。
外国人を不法に雇用した者は、不法に雇用された者1人につき1万元の罰金を科し、その総額は10万元を超えないものとし、不法所得があれば、その不法所得を没収する。

3 入国後の滞在許可期間の超過(オーバーステイについて)
 滞在許可期間を超えて滞在する場合、いわゆるオーバーステイとなります。オーバーステイになると、警告を受けたり罰金が科されます。さらに、オーバーステイした理由に情状酌量の余地がないと判断される場合、行政拘留や更には再入国禁止措置がとられることがあります。
 
(1)取得したビザ、居留許可の滞在期間(ビザなし滞在は30日間)を超えて滞在した場合はオーバーステイとなり、一日あたり500元の罰金が科されます(罰金は最大10,000元)。

(2)悪天候等により当初の帰国便が欠航となり、次の帰国便に搭乗するまでに滞在許可期間が超過してしまうようなケースも想定されます。この場合であっても、事前に必要な手続等をしていなければオーバーステイしたものと見なされ、出国手続時に罰金の納付を求められる可能性があります。これを回避するためにも、次の帰国便搭乗までに滞在許可期間を超過することが明らかな場合は、帰国便の航空会社等と相談し、欠航証明書の交付を受けた上、滞在許可期間内に最寄りの公安当局あるいは空港にある辺防検査に相談することをお勧めします。
 
(3)「30日間ビザなし滞在可能」の規定を利用して、たとえば30日ごとに第三国等へ出国した後に再入国を繰り返し、中国への長期間滞在を試みる方もいるとの情報があります。但しこのような場合、中国入管当局がパスポートの出入国履歴を見て「不審な出入国」と判断する可能性もあり、その場合強制退去や入国禁止措置等を受ける可能性もあります。長期滞在を予定される方は、本来の滞在目的に則したビザを取得の上入国をお願いします。