黄葛古道・黄桷椏老街

令和2年11月30日
中国語名:黄葛古道, 黄桷垭老街

 南岸区の南山、重慶郵電大学の近くに「黄桷椏老街」という一画がある。歴史は唐宋時代まで遡るといわれ、14世紀の「大夏」国王・明玉珍(注:重慶唯一の皇帝)の時代から、重慶と貴州を結ぶ街道の最初の宿場町(中文:驿站)として栄えたという。数百メートルの坂道沿いに並ぶ建物は全て最近のものだが、貴州や雲南の商工会館の跡など当時の様子を窺わせる史跡も若干残る。この坂道を上り切った先から、黄葛古道と呼ばれる石畳・石段が始まり、南山の麓まで延びている(途中で上新街方面及び海棠渓方面に分離)。上新街・南山間の1本道(龍黄公路)は渋滞が酷く歩道も整備されていないので、歩いて上り下りするならこちらが安全。自然に囲まれ気分も良い。但し古道は分岐点の標識が殆どないのがちょっと難点。
 これでも歩き足りなさを感じる場合は、老街の途中にある「三毛故居」(1940年代生まれの有名作家の生家)から始まる山道にも足を伸ばしてみたい。20分ほどほぼ平坦な道を進み最後の険しい石段を上ると、文峰塔(別掲参照)や旧ドイツ大使館跡(戦時中の臨時首都時代の仮事務所。中の見学は不可)などに到着し、達成感を味わうことができる。