貴州省概要

令和2年4月3日
1.基本情報
位置  北緯29度~24度(南端は日本の西表島とほぼ同緯度)
 東経103度~109度
面積  17.61万km2(日本の半分弱)
人口  3600万人(2018年常住人口)
※人口の約3分の1が少数民族(苗族が最多)
人口密度  205人/km2(2018年)
省都  貴陽市
別称  貴(Gui)、黔(Qian)
 
2.歴史
 戦国時代から「夜郎自大」で知られる夜郎国が存在しましたが、次第に国力が衰え前漢の時代に滅亡しました。漢の時代は「益州」等に属し、唐代には現在の貴州省の大部分が「黔中道」に属していました。今でも「黔」が貴州省の略称として使われています。元の時代、四川、湖広、雲南の3行省(中央政府の出先機関)に分かれて属していましたが、明代の1413年に「貴州布政使司」が設置され、全国13行省の一つとなりました。
 中華民国時代の1935年には「長征」の途中にあった遵義において、中国共産党政治局拡大会議(遵義会議)が開催され、毛沢東指導体制を構築したことで知られています。1941年に現在の省都である「貴陽市」が設置されました。日中戦争中、戦火を避けるため浙江大学をはじめ中国各地の大学および文化人が貴州省に移り、貴州省の教育文化事業は大きく発展しました。1949年11月に中国共産党による統治が開始されました。1964年から1978年のいわゆる「三線建設」の期間、貴州省は、全国の戦略的後方基地として国防科学技術分野を中心に工業が長足の発展を遂げました。
 
戦国時代 夜郎国等
 唐代   黔中道等
1413年 貴州布政使司設置
1941年 貴陽市設置
1949年 中国共産党貴州省委員会設立
2014年 国家級新区として「貴安新区」が成立

3.気候
気候  亜熱帯湿潤モンスーン気候
年平均気温  貴陽市:15.3度
年間降水量  貴陽市:1045.8mm
平均湿度  貴陽市:79.9%
年間日照時間  貴陽市:1160.2時間(※)
(出所:『貴州統計年鑑2016』)
※北京:2420.3時間(『中国統計年鑑2016』)、東京:東京:1841.7時間(気象庁HP2016年数値)
 
4.政治行政組織
★中国共産党貴州省委員会
 書 記:孫志剛
 副書記:諶貽琴
★貴州省人民代表大会常務委員会
 主 任:孫志剛
★貴州省人民政府
 省 長:諶貽琴
 副省長:李再勇、王世傑、陶長海、郭瑞民、呉強、譚炯、胡忠雄
★貴州省政治協商会議
 主 席:劉暁凱
 
5.主要経済指標
指標 2016 2017 2018 2019
国内総生産(億元) 11734 13540 14806 16769
GDP成長率(%) 10.5 10.2 9.1 8.3
1人当たりGDP(元) 33247 37956 41244 N/A
都市居住者可処分所得
(元/年)
26743 29080 31592 34404
農村居住者純収入
(元/年)
8090 8869 9716 10756
固定資産投資(億元) 12929 15288 N/A N/A
社会消費品小売総額(億元) 3708 4154 3971 N/A
対外貿易 輸出(億米ドル) 314 390 337 327
       輸入(億米ドル) 63 158 163 126
外資直接投資(実行ベース)
(億米ドル)
32.16 38.91 44.86 6.79
(出所:『貴州統計年鑑』各年版等)
 
6.中国国内における位置づけ
 貴州省は従来、最も貧しい省の一つで、中国で最も貧困人口が多い地域の一つと言われてきました(2019年現在約30万人で下から3番目)。
 2012年の国務院2号文献で、貴州省の経済を大いに発展させる旨が確認され、省内の各地で高速道路や鉄道、空港など交通インフラの整備が急ピッチで進められ、現時点までに格段の改善が見られるようになりました。
2014年1月に貴陽と安順にまたがる貴安新区が国家級新区に指定され、ビッグデータ産業を主流とする発展にかじを切り、サーバー基地の建設のほか、2015年以降、毎年ビッグデータに関するサミットを開催するなど、今ではビッグデータが貴州省の代名詞となるまでに成長しています。
 また、遵義市茅台鎮で生産される茅台酒は国酒と称され、中国で最も有名な白酒の1つです。