在留邦人(旅行者)のご不幸に伴う諸手続き

平成30年10月29日
 当地で邦人が亡くなられた際には、亡くなられた際の状況如何で,ご遺体の当地での火葬や本邦搬送に必要な書類や手続きが変わってきます(以下1.~2.)。
 以下,ご不幸に伴う諸手続をご案内致しますが,当地でのこの種の手続きは,当然のことながら,本邦と異なる上,必要な書類が多岐にわたるため,混乱を来し勝ちですので,アシスタント業者の支援を得ることをお勧め致します(以下3.)。
 また,当館では,ご家族様の来華等できる限りのご支援を致しますので,必ず当館にご一報されるようお願いします(以下4.)。
 
【各項目のご案内】
1.葬儀場への搬送手続き
(1)病院で亡くなられた場合(正常死)
(2)事故死・変死の場合
2.当地での荼毘/本邦搬送手続き
(1)当地で荼毘に付される場合
(2)日本に搬送される場合
3.アシスタント業者の利用
4.当館への通報/可能な支援
(1)当館への通報
(2)当館で可能な支援
 
1.葬儀場への搬送手続き
 ご遺体は,葬儀場に搬送されてから,当地で荼毘にするか,本邦に搬送するかの手続きがとられますが,どのような状況でお亡くなりになられたかによって,葬儀場への搬送手続きが異なります。
(1)病院で亡くなられた場合(正常死)
ⅰ 病院にて「死亡証明書」を入手。
※死亡証明書には,できる限り正確な死亡時刻と死亡場所を記載してもらうようにします。保険金請求手続きを行う為に複数部が必要となります。なお,正本一部しか入手できない場合は,当館で原本照合した写しを差し上げます。
ⅱ 葬儀場へご遺体を搬送。
※「死亡証明書」、亡くなられた方のパスポートが必要です。
 
(2)事故死変死の場合
ⅰ 公安局に110番通報。
ⅱ 公安局による現場検証,検死。
ⅲ 公安局にて「死亡証明書」を入手。
※事件性が認められる場合には,ご遺体を解剖して死因を特定することになりますが,それ以外のケースでは、ご家族の同意の下、法医解剖(有料)によって死因が特定されます。なお,法医解剖を受けない場合、死因が特定されない場合もあります。
※死亡証明書には,病院で亡くなられた際と同様,できる限り正確な死亡時刻と死亡場所を記載してもらうようにします。保険金請求手続きを行う為に複数部が必要となります。なお,正本一部しか入手できない場合は,当館で原本照合した写しを差し上げます。
 ⅳ 葬儀場へご遺体を搬送。
 
  【死亡証明書】
  邦市町村役場に死亡を届け出る際,当地での死亡証明書に翻訳文を添付して提出する必要があります。訳文が正確であれば,どなたの翻訳でも差し支えありませんが,以下3.で紹介するアシスタント会社に依頼することをお勧めします(アシスタント会社スッタフは日本語堪能)。
 
2.当地での荼毘/本邦搬送手続き
 現地で荼毘に付す,或いはご遺体を日本に運送するのかは,ご家族のご意向に拠ります。ご家族が当地に滞在していない場合は,先ずはご意向をご確認する必要があります。
(1)当地で荼毘に付される場合
  ⅰ 火葬場と火葬の日時、費用等を打ち合わせる。
※火葬では,ご遺骨を拾いたい旨を火葬担当者に伝えて下さい(中国では灰にします)。
 ⅱ 火葬場に火葬を依頼(→ご火葬)。
※その際、ご遺体と火葬を依頼する方の関係を示す公的な書類を提出する必要があります。ご家族が依頼する場合は,その関係を当館で証明致しますので,戸籍謄本をご持参の上,当館に申請して下さい。
※また,ご家族が第三者に火葬手続きを依頼する場合,ご家族の委任状が必要になります(この場合,委任状に「ご遺体と委任するご家族等」の関係を証する証明書を添付する必要があります。

ⅳ 火葬場で「遺体火化証明書」を入手。
ⅴ 総領事館で「遺骨証明書」(有料)の発給を受けると共に、死亡者の旅券を失効手続き(無料)する。
ⅵ ご帰国(ご遺骨はご家族様等と一緒に搭乗可能です)。
 
(2)日本に搬送される場合
ご遺体を日本に搬送する場合,ご遺体とご遺体を受け取る方の関係を示す公文書が必要になりますので,ご家族が来華する場合は,渡航前に,戸籍謄本(亡くなられた方と来華するご家族の方の名前が記載されているもの,かつ発行後3ヶ月以内のもの)を3部ご準備下さい。
ⅰ 公証処に死亡公証書を申請、入手。
  ※亡くなられた方の旅券の写しのほか,ご遺体とご遺体の引き取り手の方と関係を示す公的書類が必要になります。例えば,奥様がご遺体を引き取る場合は,亡くなられた方との婚姻関係を証する証明書を公証処に提出して死亡公証書を入手することになります。婚姻関係を証する証明書は,当館で発給(有料)致しますので,事前に戸籍謄本をご準備下さい。
ⅱ 火葬場と輸送日程、費用等を協議。
ⅲ 航空会社と搬送日程等を協議。
ⅳ 防腐処理を行い、「遺体防腐証明書」を入手。
ⅴ 出入境検験検疫機関で「遺体出境許可証」を入手。
ⅵ 総領事館で「遺体証明書」の発給(有料)、亡くなられた方の旅券の失効手続。
ⅶ ご遺体の搬送。
 
3.アシスタント・サービス会社の利用
(1) 亡くなられたご本人が海外旅行障害保険に加入していたり、海外旅行者障害保険が付帯しているクレジットカードを所有している,或いは勤務先が海外での事故に関しアシスタント・サービス会社と契約を提携していたりする場合,原則,以上の諸手続は,保険会社等が契約するアシスタント・サービス会社が全て無料で代行します。
(2)また契約の範囲内であれば,ご家族の渡航費用や宿泊費等は無料になりますので,ご家族や会社関係者が海外でご不幸に遭われた際には,先ず海外旅行保険加入や契約提携の有無をご確認の上,保険会社等に連絡して下さい。
(3)他方,海外旅行保険等に加入していない場合でも、アシスタント会社に諸手続の代行(有料)を依頼することは可能です。また中国側に旅行社等の受入機関がある場合は,旅行会社が手続きを代行するケースもあります。
 
  ※アシスタント・サービス会社は,加入する保険会社によって異なりますので,支援依頼に当たり,先ずは保険会社にご照会下さい。
 
4.当館への通報/支援/諸手続
(1)当館への通報
ⅰ 当地で邦人が亡くなられた際には、亡くなられた際の状況の如何に関わらず,本邦ご家族様への支援等のほか,旅券の失効手続きを行う必要がありますので,必ずご一報下さい。
(2)当館での支援
ⅰ 本邦ご家族の旅券の早期発給依頼
※亡くなられた方の本邦ご家族が当地への渡航を希望するも,有効な旅券を所持していない場合は,外務本省を通じて,各自治体の旅券センターに早期発給を依頼します。
ⅱ アシスタント会社等との連携
※アシスタント会社等による諸手続の代行が円滑に行われるよう,必要に応じ中国側関係機関に口添えをします。
ⅲ 当地作成「死亡証明書」の原本照合
   ※当地での死亡証明書は一通しか発給されないことがあります。その場合,本邦での保険請求手続き等に支障が来さないよう,当館領事が原本照合をした写しをお渡します(複数部可。無料)。
ⅳ 本邦連絡先の情報提供
※亡くなられた方の本邦連絡先が不明な場合,旅券の申請履歴で本邦連絡先を調べます。
 
 
 以上,邦人の死亡に伴う諸手続については,お亡くなりになられた地域によって,中国側関係機関の取扱いが異なることがあります。諸手続を円滑に進めるため,ご家族,関係者の方にはアシスタント会社や当館と連絡を密にするようお願いします。
                                                                                      以上